都市的な空間に出た。街から人の姿が消えていたのはもう昔々のこと。今日の街には人の姿が溢れていて、まるで大昔に戻ったみたいだった。それでも見なくなった姿というのもあるな、とふと気づく。路石に、道端に、座り込んでいる人々の姿だ。 とはいえ、ここ…
浪人生だったころ住んでいたのは地方のある町であり、その町はお世辞にも栄えているとは言えなかった。大手の予備校なんてものもあるわけなくて、ぼくは片道1時間強のあいだ高速バスに揺られながら隣県の中核都市にある予備校に通っていた。浪人生の時間割は…
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