屋上屋

屋上で小屋を建てている

日記20201023

勤務先が大きなオフィスビルの一角にあるし、最寄り駅が一つしかないから、必然的に通勤時間の駅は混んでいる。地下鉄駅から地上へと出ていくときの細いエレベーターに並ぶ人たち、群れをなすようにして橋を渡り、オフィスビルに吸い込まれていく人たち。ぼくもまたその一人であり、どうしたってぼくは類的存在でしかないのだ、ということをよく考えさせられる。ぼくはそのことを深く悲しんでいる。

帰りがけ、同期の同僚にこの悲しみについて話してみる。彼は、「えっ」と言い、「まあたしかにちょっとは悲しいけどさ」と言う。

悲しみというのは類的なものとはなりえないのだ、と思う。群れなして電車に運ばれる人々に挟まれて、こんなことを書いている。